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by shiu57577

カテゴリ:連作短歌( 9 )

「夕暮鉄塔紀行07」 

ボクたちは危険を冒し高いとこ 見下ろす街は人の住む街


もしあした晴れていたなら思いきり肉でも焼こう まるで義務みたく


ふたりきり 短い命 またあした まだ数え切れるだけのゆびきり


丸まった猫を巻きつけあたたかい 逃げないわけを決めつけないで


落下する速度と距離を見きわめて握りしめてるあたたかな皿




夕暮れの写真ひとつで行った気になれるのも行ったことがあるから


こうやって日本全国散らばって風の温度を報告しあう


瞬きをするたび音は消えてゆきわかったようにながれる涙


ピチピチとたたけばそんな音がしてそういえばわたしたしは生き物


目覚めても続いてく夢 誰ですか わたしの体触ってったの


(ハッピーマウンテン4号 投稿短歌)
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by shiu57577 | 2008-11-01 13:51 | 連作短歌

連作10首

「たとえ話に耳をかたむける」 緒川景子


そんなことほんとか嘘かわからない 嘘であってももう怒らない

日常がとても恋しく果てしないスピードでこの祈りよとどけ

美しく整えられた部屋なのにテレビの上に並ぶ化粧品

背景に電線がありビルがありどんな場所でもそれが現実

ばかみたく長く感じる階段を立ち止まらずにのぼるわけがない

あしたには使うことのないこの駅に別れも告げず振り向きもせず

情熱はロマンチックな夢となり涙とともに涸れてゆきます

無気力といっているのにその風の吹き方はないでしょうよカーテン

あす食べるパンをトレーにのせながらたとえ話に耳をかたむける

柴犬も追いかけるようにみせかけてまるでわたしが見えていません




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連続投稿すみません!
連作を作りました。
よろしくお願いします。

近況はうれしかったことがひとつ。
ひとつまえの記事で告知した、
短歌と写真を組み合わせたポストカード、
思いのほか売れて、何種類かは完売したようです。
わたしの知らない誰かに向けて発信したものが
届いたんだな、と実感できました。
また、色々やっていきます。
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by shiu57577 | 2007-08-13 23:08 | 連作短歌

タイトル未定

食べかけのおにぎりをポンと置いてきてしまったことがとても気がかり

真っ黒なくじらの口で構えてる どうせ吐き出すくせにばかだな

書いたものすべて破り捨てわたしから行方不明になりたい すぐに

買ったパン4個のうちの1個しか食べきれずいまほっとしている

パステルの色した小さな可能性 きょうはわずかに信じられる日
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by shiu57577 | 2007-07-13 23:23 | 連作短歌
「さよならコンクリート」 緒川景子

枯れるまでさみしがってもいいことにする お別れの花なんだから

日曜日買ってもらった筆箱がよけいわたしをかなしくさせた

もう誰も覚えていない約束と君にとってのわたしは似てる

雪像が壊されていく 焼き付けておくこともなく地下へもぐった

先生の足をみていた 合唱の声にひきずられそうになるから

わたしには透けていないようにみえてそうじゃなければとても不安だ

この街はせわしないから日が暮れる前に家路がほら鳴っている

ゆるやかにひとりになっていくだろう もしもそのようなことになったら

生臭い手のまま会いたくはなくて岩塩を指にすりこんでいる

突然が突然すぎて叫びだす 息を吸い込むなら吐き出して

やさしさがつかせた嘘と思いたい みんなだまって服を着がえた

ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない

庭にいる大きなアゲハ蝶をみて「かあさんかも」とつぶやいた母

お昼頃差し込む光1Kを照らしておいて 夜には帰る

妹に言ってるんだね 写真にはやさしく写るきみの魂

動いてる指をカメラに収めるとちゃんとぶれてて止まることない

とりあえず夜だったのでほっといた どうせ再び気づくのだろう

デジャブだと思いたいからいつか連れていってください フラミンゴの丘

生活をしている音を聞きながら落ちた睫毛を探し続ける

いつまでも吐き出せないことばのためにさすり続ける自分の背中

先生はやんわり指摘したけれどいまでもあれはバンビの姿

スクリーンに映し出される空の色 コンクリートが別れを告げた

看護婦さん、診察台に寝ているとあなたが連れてきた花みたい

自分すらわからないのにどうしてか手に取るようにあなたがわかる

気兼ねすることもなく不器用な手があらゆるものを切り裂いていく

枯れているばらを指さしこのいろがすきよだなんて許すしかない

くるぶしをあなたにみせられない冬に迷い込んでる真っ白な森

てのひらをみながらわかりはしないけどきのうなかった線をみつけた

おやすみになさいがついていただけでこんなにも幸福に眠れる

キャッチするはずだったスーパーボール さよならコンクリートさよなら
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by shiu57577 | 2007-01-31 16:48 | 連作短歌
言い当てることなどきっと誰ひとり出来ないような気持ちでいます

茹でたてのブロッコリーが鮮やかだ 秋のことなど思い出さない

保存した写真をすべて失ってまたしてもゆるせなくなる自分

狭い部屋 さっき食べてたベーグルのエビとアボガド干からびていく

くっついた誰かの腕にほっとしてやっと眠れた朝の地下鉄

照明が強くて向こうが見えなくて緊張もせず奏でた楽器

逆上がりできないことがなんなのさ それくらいちっぽけなかなしみ

ハンカチは持ってないから手で拭う 梅雨といわない6月の雨

モヤモヤという名のキャラがいたような気がして一日かけて検索

壊さずにきれいなままで押入れに入れてあるのをわたし知ってる

駄々をこね泣きわめいたらあしたからかえってつらくなっちゃいそうだ

新しいものもいいけど定番がやっぱりいいな うすしおだとか

まっすぐな線を引きながらいまどこに立っているのか考えている

おまつりでもらった小鳥死んじゃって埋めたら白いはこべが咲いた

大切に取っておいても使わずに消えていくのは想像できた

坂道が続いた先に家があり憧れだった春の自転車

保存した写真をすべて失ってゆるすべきことまたふえていく

晴れの日は日当たりの悪い部屋ですら空気がよくてこまってしまう

ありがとう わたしはあなたがいたせいで生きてることがうれしいみたい

せめてものお礼においしいじゃがいものレシピをひとつおしえてあげる

朝4時に眠る生活を続けるとわりと四季には敏感になる

大好きなモスの広告でも同じこの花がリンと写ってました

泣いてると日記に書いていたけれどごめんわたしはちゃんとたのしい

ごめんねと謝ってあした持ってこう 読みたいふりをして借りた本

正しさはたぶんこの辺 ほんとうはこんなに星がきれいな実家

想像と違ってすごくやわらかい声であなたは話すんですね

帰り道押すのがイヤで停留所までの道のりまた走ってる

ここ最近みないタイプの夢なのに起きたとたんに眼鏡が折れた

あきらかに似合わないこんなジャンパーを試着している意味がわからない

忘れてはいけない あの人はおとな 「遠いところをわざわざどうも」

願掛けを突然したくなったので横断歩道の白だけ歩く
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by shiu57577 | 2006-03-29 22:40 | 連作短歌
「降りてもそこにありますように」 緒川景子


なんとなくどこでもドアに似てたのでこのアパートに住むことにした

ありがちなFのコードに躓いてギターはいまも弾けずにいます

旅先でビニール傘を買いました どこに捨てるか考えながら

終電が終わった頃にてくてくと自分の街のように歩くよ

海外に行けたらいいな あしたとか そんな覚悟で掃除してみた

ああ旅はいいものですね お向かいに座るふたりがたのしそうです

こんなんじゃだめだと五千回くらい叫んだ記念 きょうは飲みます

空港は窓が多いね 外ばかりみてしまってた気分のいい日

きみのネコなでくりまわす お互いにしらけた顔がまたよいのです

誰ひとり喋らないからいちばんに口をひらいた 雨が降りそう

まっしろなものにはチョコレートを落とす そうそうそうでなくっちゃ わたし

あの人がされたら一番嫌なこと 突然思い出してしまった

やることがありすぎるので2階からスーパーボールを落とす実験

いつもより多くしゃべった 「ありがとう」「ごめんね」だけは心をこめて

土曜日のラジオみたいな話し声 地図もいらない住みやすい街

お母さん 怖いものなどもうなくて今日はひとりで飲んできたんだ 

ばかだから夢のないことばかり言うきみの言葉が理解できない

暇なのでとなりに寝てる黒縁のめがねのひとのめがねであそぶ

マヨネーズ持つのは右手なんだねと言っていたのは誰だったろう

似合わないTシャツだけどまあいいか 映画館への道をいそいだ

有明の月が出ている 電車から降りてもそこにありますように

くやしいなナカマユキエのものまねがあとひといきで出来そうなのに

勢いをつけて電車に飛び乗った それだけでもうドラマチックだ

ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない

音楽も本も持たずにぼんやりと誰かが書いた広告を読む

赤い飴 となりに座るこどもからそんなにおいが漂ってきた

猛毒は黒蜜の味 ああせめてウマイといって死にますように

コンビニに寄って帰ろう 好きなもの食べる自由はすこし窮屈

きょうもまたおいしく出来た晩ごはん猫に見せびらかしていただく

特別な才能なんてないけれどきょうはわかった 雨が降ること

寝て起きて疲れてなくて洗濯機2回まわしてふたたび眠る
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by shiu57577 | 2005-10-10 05:41 | 連作短歌

連作 *

「降りてもそこにありますように」 緒川景子


誰ひとり喋らないからいちばんに口をひらいた 雨が降りそう

マヨネーズ持つのは右手なんだねと言っていたのは誰だったろう

あの人がされたら一番嫌なこと 突然思い出してしまった

やることがありすぎるので2階からスーパーボールを落とす実験

まっしろなものにはチョコレートを落とす そうそうそうでなくっちゃ わたし

有明の月が出ている 電車から降りてもそこにありますように

なんとなくわたしのことを思い出し苦笑いするあなたがみたい

いつもより多くしゃべった 「ありがとう」「ごめんね」だけは心をこめて

お母さん 怖いものなどもうなくて今日はひとりで飲んできたんだ 

この部屋を知らない人よこんにちは やどかりのように脱ぎ捨てていく

ばかだから夢のないことばかり言うきみの言葉が理解できない

似合わないTシャツだけどまあいいか 映画館への道をいそいだ

くやしいなナカマユキエのものまねがあとひといきで出来そうなのに

どうしても目立ってしまうシミなのでたたくのがいい 消えろ消えろと

勢いをつけて電車に飛び乗った それだけでもうドラマチックだ

音楽も本も持たずにぼんやりと誰かが書いた広告を読む

ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない

赤い飴 となりに座るこどもからそんなにおいが漂ってきた

猛毒は黒蜜の味 ああせめてウマイといって死にますように

コンビニに寄って帰ろう 好きなもの食べる自由はすこし窮屈

ふりだしにもどるだなんてあんまりだ 足取りは軽くみせないように

きょうもまたおいしく出来た晩ごはん猫に見せびらかしていただく

特別な才能なんてないけれど今日はわかった 雨が降ること

海外に行けたらいいな あしたとか そんな覚悟で掃除してみた

寝て起きて疲れてなくて洗濯機2回まわしてふたたび眠る
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by shiu57577 | 2005-09-23 08:03 | 連作短歌

連作**

「アリと週末」  緒川景子


ふりだしにもどるだなんてあんまりだ 足取りは軽くみせないように

伝説になれないことを悟ったがそれがらしさというものだろう

やることがありすぎるので2階からスーパーボールを落とす実験

いつもより多くしゃべった 「ありがとう」「ごめんね」だけは心をこめた

ちっぽけな自信がひとつあればいいなんて嘘だね 足りるわけない

その価値がわからないのはいいことだ 昔からそれは鳥の箸置き

この家は夏あたたかく秋冬はとても涼しくとても快適

寝て起きて疲れてなくて洗濯機2回まわしてふたたび眠る

どうしても目立ってしまうシミなのでたたくのがいい 消えろ消えろと

ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない

勢いをつけて電車に飛び乗った それだけでもうドラマチックだ

音楽も本も持たずにぼんやりと誰かが書いた広告を読む

猛毒は黒蜜の味 ああせめてウマイといって死にますように

特別な才能なんてないけれど今日はわかった 雨が降ること

この部屋を知らない人よこんにちは やどかりのように脱ぎ捨てていく
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by shiu57577 | 2005-09-06 10:37 | 連作短歌

たまには自由にうたう

もしいびきかいてたらけっとばしといて いいなと思うセリフをまねる

手拍子が打てなくなった ありがとう みんながたたく音はきれいだ

さようなら 「結婚式の2次会」と返信したら「きみの?」と聞くきみ

またしても自問自答をくりかえしよい結論をだしてしまった

時々はヒントが欲しい もうすこし上手く生きられればって思う 

どうしてもきみに祝って欲しいのでがんばることをがんばってみる

ああ今日も出会いがなくてよかったな きみをまだまだ好きでいられる

習慣を忘れちゃうほどぼんやりとしていた日々もときにはあった

早朝に花火がなった 目が覚めた きょうこの町は運動会です

海外に行けたらいいな あしたとか そんな覚悟で掃除してみた

好きなのはゆっくり上がりさらさらとやなぎみたいに落ちてく花火

駄々をこね泣きわめいたらあしたからかえってつらくなっちゃいそうだ

曇りだと花がキレイに撮れるからいいんだよって誰かが言った

ポラロイドカメラがほしい 古いのでやさしい色に撮れそうなやつ

これくらい泣けたからもう満足だ はさめた指ももう痛くない

あすこそは自分勝手な生き方にそろそろ飽きている頃かもね

あまりにもふつうに育ちすぎちゃって罪悪感がつきまとう日々
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by shiu57577 | 2005-08-26 01:54 | 連作短歌